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店長コラム

コーディネート力を一段上げる、「カテゴリー」の意識。

今回も始まりました。古着屋店長による、古着と直接関係のないブログです。

前回のコラムでコーディネートを組む際に意識するべき要素を解説しました。
色、形(シルエット)、柄、テクスチャ(素材)、カテゴリー(ルーツ)
今回解説するのは「カテゴリー(ルーツ)」の要素です。
カテゴリーでも、種類とかジャンルといった言い方でも同じような意味だと思います。なんとなくカテゴリーという呼び方が使いやすいのでカテゴリーと言ってます。

全ての服にはルーツがある。

さて、そもそも服のカテゴリーってなんだということなんですが、
ほとんど全ての服には作られた「目的」があります。
よくよく考えてみると当たり前なんですが、改めてみるとあまり意識して考えていなかったことではないでしょうか。

実例を紹介しながら解説していきます。

まずはこちら、「ミリタリージャケット」です。
最も目的がハッキリしていてわかりやすい服だと言えます。
ミリタリージャケットは戦争のために作られた服です。
それ以外にはありません。
強靭な繊維が格子状に編み込まれたリップストップという丈夫で破れにくい生地で作られ、
敵から見つかりにくくするためのカモフラージュ柄、弾薬、手榴弾、応急手当て用品、レーション(携帯食料)などを収納するためのフラップ付きポケット、気候の変化に対応するための収納フードや袖、裾の絞り、などなど。
それら全ての仕様は、戦場で戦う兵士のために備えられたものです。
「カッコイイからこういうデザインになってる」とかは一切ないんですね。

続いて対照的なジャケットです。こちらはどうでしょう。
テーラードジャケットは英国紳士が紳士たるたしなみを記すために作られた服です。
姿勢をよく見せる肩の作りや身頃のくびれ、エチケットのためのハンカチを挿す胸ポケットなど。
スーツについては、細かい仕様の一つ一つに由来があり、意味があります。
「これを着ていることでその人は紳士なんだと相手に印象付ける」ことが
このジャケットの役割というわけですね。
そもそもサラリーマンの制服なんかではないわけです。

他にも、「ジャケット」に絞って考えてみるだけでもたくさんのカテゴリーがあります。
ワークジャケット、ハンティングジャケット、ライダースジャケット、トレッキングジャケットなどなど。
これらは働くため、狩りをするため、バイクに乗るため、山に登るためといった目的のために作られ、
そのために最適な仕様や素材を使って作られています。

今紹介したものは大まかなジャンルであって、ミリタリージャケットの中でもパイロットのために作られたMA-1などといった、さらに細かい目的のために作られた種類が無数にあります。

この目的こそが服のルーツであり、カテゴリーというわけです。

カテゴリーを把握して、相性を考える。

カテゴリーを意識すると、お店で洋服を選ぶときに、ただ「流行ってるか」とか、「カワイイ」「暖かそう」みたいな感想以外にも見かたが増えるんではないでしょうか。

普段なんとなく選んでいる服ですが、それらのアイテムがどのカテゴリーに属するのか、意識するのとしないので結構違いがあります。
「この服はそもそも○○のために作られているからこういう形になっていて、だからかっこいいんだな」みたいに考えると面白いです。
では、カテゴリーを意識してコーデに統一感を出してみましょう。

ジーンズのルーツは炭鉱で働く人のための作業ズボンです。
ジーンズについては深すぎるので今回詳しく書くのはやめておきますが、ざっくり言うと働く人のためのワークパンツというカテゴリーになります。
羽織っているのは工場で働くために作られたワークジャケットです。
こちらのコーデは「ワーキングスタイル」ということになりますね。
同じ目的で作られた服同士の組み合わせは統一感があって相性が良いです。
ちょっと難しいかもしれませんが、是非一度ジャンルを統一したコーデにチャレンジしてみてください。

さてここまで解説しておいてなんですが、このジャンルの意識、「コーデを組む際に毎回考慮すべき」というほど重要ではありません。
同じジャンル同士のアイテムは確かに相性が良いですが、こんなことを毎朝姿見の前で考えている人はほとんどいません。
「知ってると面白いファッションの知識」程度の感覚でいいかなと思います。

NGファッションとしてよく言われる、カテゴリーを間違えたチョイス。

ではなぜわざわざ僕が皆さんに、服にはカテゴリーがあること知ってもらいたいのか。それは、
相性の悪い組み合わせを選んだときに「なんでこの組み合わせが変なのか」を理解するためです。

ちょっと画像が見つからなかったのでわかりにくいはめ込み合成ですが、
例えばテーラードジャケットにランニングパンツを組み合わせたとします。
いかにも落ち着いた雰囲気の正装をした上で、アグレッシブに走りやすさを重視しているわけです。
上半身と下半身の目的が反対方向を向いていてなんだかわけがわかりません。
これは極端すぎる例ですが、明確になぜ変なのか説明ができますね。

しかしこの組み合わせ、色や素材など、他の要素に統一感があるとたちまちアリなコーデになるんです。

カテゴリーが違うことを意識した上で、他の要素を近づけて統一感を出す。

こちらのコーデ、先ほど同様テーラードジャケットにジャージのパンツを合わせていますが違和感がありませんね。
本来キレイめな性質をもったテーラードジャケットだけど、カジュアルな素材感のものを選び、
本来カジュアルな性質をもったジャージだけど、高級感のあるキレイめな素材感のものを履いています。
カテゴリーが正反対のアイテム同士だけど、双方が雰囲気を近づけるために歩み寄っているようなイメージでしょうか。
服の色や素材などの要素に統一感があれば、カテゴリーがバラバラでもまとまりのあるコーデを作ることができます。
「そのアイテムが、相手にどんな印象を与える服なのか」を一つ一つ把握しましょう。
すると組み合わせの相性がわかってくると思います。

次の授業はこちら(ファッションは「ぱっと見」)

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店長ハダ

店長ハダ

富士山駅の古着屋&お直し屋[Us design]ユースデザインをやっております、アラフォーの天然パーマです。

アパレルブランドプレスを経て地元富士吉田市にて開業しました。 兼業で広告デザイナー、イラストレーターなどをしています。 サブカル全般が好きです。カラオケ大好き。おすすめのアニメ教えてください。

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